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Southern Cross Station

  • 執筆者の写真: Mizuki Yamabe
    Mizuki Yamabe
  • 2016年10月8日
  • 読了時間: 3分

Southern Cross Station (サザンクロス駅)は、メルボルンにあるターミナル駅。米大手旅行雑誌「Travel+Leisure」で、世界で最も美しい駅(World’s Most Beautiful Train Stations)のひとつに選ばれたことでも有名な駅だ。

Southern Cross Stationの最大の特徴は、何と言ってもその大きく波立った屋根である。「呼吸する屋根」とも言われるこの屋根は、駅構内の自然換気が出来るような構造になっているらしい。

2016年2月下旬、私はメルボルン国際空港からSkyBusというシャトルバスに乗って、メルボルン市内への玄関口であるこのSouthern Cross Stationに初めてやって来た。モダンでお洒落な駅構内を颯爽と歩きながら、これから始まる留学生活への期待に胸を膨らませていた…なんてことは実際にはなく。

ある重大なミスに気付き、顔面蒼白になっていた。

重大なミス、それは、駅から寮までの行き方を調べていなかったこと。究極の馬鹿のなせる業である。「駅から寮までは人に道を聞けば何とか辿り着けるさHAHAHA」という謎のポジティブ思考に切り替えた私だったが、意気揚々と向かった駅のインフォメーションセンターでは、対応してくれたお兄さんの英語が速すぎて聞き取れず、心がぽきっと折れる音を聞いた。キットカットさながらの小気味よい音である。

後に、オーストラリアに長年住む友人から聞いた話によると、オーストラリア人の話すスピードはおしなべて速く、ネイティブでも聞き取れないことがあるんだとか。ネイティブでも聞き取れないってどうなの…。

何度もSorry?と聞き返しながら何とか、寮までのトラム(路面電車)の乗り方を把握した私。メルボルンのトラムには無料で乗り降りできる区間、いわゆるFree Tram Zoneがあり、Free Tram Zoneの終点から寮までは歩いて行けるとのことだったが、インフォメーションセンターのお兄さんは私が大きなキャリーケースを持っているのを見て、「荷物が多いから、お金を払ってでも寮の近くの停留所まで乗った方が楽だよ」とアドバイスしてくれた。お兄さんの優しさ、プライスレス。

Southern Cross Stationを出発した後も何度か人に道を聞いて、やっと寮にたどり着いた。ルームメイトは外出しているようで部屋には誰もおらず、静かな部屋でただ一人大きなブルーベリーマフィンをかじった。

オーストラリアに着いてから一週間ほどは、英語が通じないストレスで泣きながら家族や友人に電話する毎日だったけれど、慣れというのは面白いもので。あれから8ヵ月たった今、「ベジマイトはしじみ」とか何とかとりとめもないことをブログに書いているあたり、私は笑いと食べ物(後者7割)でつらさを吹き飛ばす術を、この留学を通して身に着けたらしい。

交換留学終了後、メルボルンを発つ際にも利用するSouthern Cross Station。旅立つ日には、いったいどんな気持ちで駅構内を歩くことになるんだろうかと、つらつら考える今日この頃だ。


 
 
 

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